| マートン、得意の神宮で“復活祭”や! |
阪神は2日、ヤクルト3連戦(3日〜)に備えて神宮球場でナイター練習を行った。左太もも裏の筋挫傷で開幕シリーズを欠場したマット・マートン外野手(30)が合流し、フリー打撃などで軽快な動きを見せた。和田豊監督(49)は6番以降で起用する方針。神宮は通算打率・438を誇る得意舞台。遅れて来た安打製造機が下位打線からチームに勢いをつける。
グラウンドに姿を見せたマートンの表情がイキイキとしていた。本来、あるべき場所へ戻ってきたという実感。和田監督ら首脳陣、チームメートと笑顔であいさつを交わすと、左太もも裏の影響を感じさせないほど、軽快に動き回った。
片岡打撃コーチが「足さえ問題なければ、こちらから何も言うことはない」と目を細めたように、フリー打撃では力強い打球を広角に飛ばした。計51スイングで、左中間席への柵越えも披露。終了後は右翼の守備位置へと場所を移し、フリー打撃の打球を追って照明の明るさやグラウンド状況をしっかりと確認した。
まだ4月も上旬とあって練習開始時には気温が10度を下回り、肌寒さを感じさせたが「この先もナイターだったらこれくらい寒い日もあるから。その感覚で練習できたのは良かった」と充実の表情を浮かべた。気になる状態に関しては「シーズン中はなかなか100%で戦うことはできない。ただ戦える状態まで上げることはできた。結果がどうとは言えないけど、一日、一日、ベストを尽くす」と力を込める。
和田監督はマートンの動きを一通りチェックし「大丈夫?もちろん」と太鼓判。ただ再発だけは避けなければならない状況だけに、起用は慎重を期す方針を固めている。復帰後、数試合はゲーム終盤で守備固めを送るプランも検討しており、打順に関しても「明日、どこに入れるか一晩考えます。万全なら上位だけど、最初はね。下位の方になるかな」と6番以降での起用を示唆した。
開幕カードを戦い終えた時点で、チームの得点圏打率は・188。これはリーグ5位の数字で、DeNAとの3連戦ではあと一本が出ない重苦しい空気がベンチに充満していた。ただ勝負強いマートンがクリーンアップ以降に座れば、打線のつながりは増す。全体の厚みをみても助っ人が名を連ねるか否かで、その差は歴然だ。
今後、数週間は患部にサポーターを装着した状態でプレーすることになる。開幕戦の舞台に立てなかったことで落ち込んだ日もあったと言う。「常に早く戻りたいという気持ちはあった」。その悔しさをパワーに変えた虎の安打製造機が、開幕ダッシュの原動力になるはずだ。
(デイリースポーツ)
( 2012.04.03 Tuesday )